ततः प्रातिभश्रावणवेदनाअदर्शाअस्वादवार्ता
जायन्ते 3-36
タタハ プラーティバシュラーヴァナ ヴェーダナーアダルシャアスワーダワールター ジャーヤンテー
तत: タタハ
それによって
(前回のシュローカにある、スワールタのサンヤマの修習によって)
प्रातिभा-श्रावण-वेदन -आदर्श -आस्वाद वार्ता जायन्ते
प्रातिभा-श्रावण-वेदन -आदर्श -आस्वाद वार्ता जायन्ते
プラーティバ シュラーヴァナ ヴェーダナ
アーダルシャ アースワーダ ワールター
ジャーヤンテー
下記の6つの能力が生ずる。
・प्रातिभा プラーティバ
・प्रातिभा プラーティバ
直観智
3章33節でも述べられた智慧。過去、現在、未来、スークシュマ(微細なもの)、隠されたもの、遠くのものについて察知する能力。
・श्रावण シュラーヴァナ
聴覚
神聖な音や言葉を聞く能力。
・वेदन ヴェーダナ
神聖な音や言葉を聞く能力。
・वेदन ヴェーダナ
触覚
神聖な感覚のある触覚を感じる能力。
・आदर्श アーダルシャ
神聖な感覚のある触覚を感じる能力。
・आदर्श アーダルシャ
視覚
神々しい姿・形のものを見る能力。
・आस्वाद アースワーダ
神々しい姿・形のものを見る能力。
・आस्वाद アースワーダ
味覚
神聖で甘美な味覚を感じる能力。
・वार्ता ヴァールター
神聖で甘美な味覚を感じる能力。
・वार्ता ヴァールター
嗅覚
神聖で甘美な香りを感じる能力。
神聖で甘美な香りを感じる能力。
ते समाधवुपसर्गा व्युत्थाने सिद्धयः 3-37
テー サマーダヴパサルガー ビュッターネー シッダヤハ
ते テー
それらは(6つのシッディ)
समाधौ -उपसर्गा : サマーダォー ウパサルガーハ
三昧を得るにあたっては、障害である。
व्युत्थाने सिद्धय: ビュッターネー シッダヤハ
雑念状態の者にとっては立派な霊能であるが。
前に述べた6つのシッディが現れても、それに自惚れず放棄するがいい。何故ならそれらは障害でしかない。心が散乱状態の者で、真の修行者でない者、真我の探求の重要性を理解していない者にとっては、それら6つのシッディは必要とするものである。
बन्धकारणशैथिल्यात् प्रचारसंवेदनाच्च चित्तस्य
परशरीरावेशः 3-38
バンダカーラナシャェティルヤート プラチャーラサンヴェーダナーッチャ チッタスヤ パラシャリーラーヴェーシャハ
बन्ध-कारण-शैथिल्यात् バンダカーラナシャェティルヤート
自身を体に縛り付けている原因が弱められると
प्रचार -संवेदनात्-च プラチャーラサンヴェーダナート チャ
チッタの動きのメカニズムを熟知し
चित्तस्य チッタスヤ
チッタが
पर -शारीर -आवेश: パラシャリーラー アーヴェーシャハ
他者の体に入り込むことができる。
チッタが常に特定の人のところで活動し、一瞬でも他者のところへ留まったりしない理由は、各々が蓄積してきたカルマのサンスカーラが関係するからです。自分の心がいつも自分のそばにあること、これは当たり前のことのようで、これについて普段は考えたりもしませんね。
はじめにチッタによってできたサンスカーラがあり、再生する輪廻をもとに母体の中で受精してから3か月程を経た胎児に、前世からのサンスカーラと魂が宿り、生後しばらくすると自分と他人を見分ける意識であるアスミターが明確になり、心が自分の元に固定されます。
インドの有名な古い恋愛の歌でこんな歌詞がありました。
「君のことをどれだけ愛しているか。君の心と僕の心を交換して見てくれ。」
少しくどいけれども発想が面白いような、という程度に聞き流していたのですが、簡単にチッタが他者のところへ行ったり来たりすることがあれば人格が崩壊してしまいそうですし、反面、人の心がわかると、この世のいろんな悩みが解決しそうでもありますよね。
他人の中にチッタが入り込む手順として、アスミターという自我意識を解放させたレベルのサマーディまでたどり着く必要があります。そこからチッタの凝り固まったものを解放させ、体中のナーディと呼ばれる無数に張り巡らされた通路の中で気がどのように流れるか、その流れとチッタの動きも密接に関係することが理解できるようになり、他者の生きた体・亡くなった体の中へも入ることができる、と解説されます。
インドの昔の話で、ある聡明な男の子が事故で亡くなり、両親はどうにか生き返らせたくて僧侶に頼みました。少年の魂を注入するための他の体が必要だったところ、今にも死にそうな老婆など相応しい人が見当たらず、何かの拍子で鳩に少年の魂が入ることになりました。鳩は遠くへ旅立ってしまい、バラナシーまで飛び立っていったところ、ある他の少年の体に入り込みました。
その少年が意識を戻すと以前より桁違いに賢くなっているので、その子の両親は「この子はうちの子じゃない。挨拶もできない子だったし、こんなに賢くない。」と言っていた小話がありました。親としては複雑な気持ちですね。