これらは、火きり棒を火きり板にこすり合わせて火を起こすための道具である。ある時、これらの道具が鹿の角に絡みついてしまい、鹿はそのまま道具をつけたまま森の奥へと逃げ去ってしまった。
苦行者はユディシュティラに助けを求めた。パーンダヴァたちは直ちに鹿の追跡に向かった。追跡の末、彼らは森の深く、鬱蒼とした奥地へと入り込んでいった。やがて彼らは疲れ果て、喉の渇きに苦しんだ。
そこでナクラが、水を汲みに先へと進んだ。
近くに一つの池があった。ナクラがまさに水を飲もうとしたその時、一人のヤクシャ(精霊)が彼に語りかけた。
「この池は私のものだ。まずは私の質問に答えよ。そうすれば、水を飲むことを許そう」。
ナクラはその言葉に耳を貸さず、水を飲み始めた。水を飲み下したその瞬間、彼は意識を失い、地面に倒れ伏した。
いくら待っても彼が戻ってこないため、サハデーヴァがナクラを探しに出かけた。彼もまた、全く同じ運命をたどることとなった。次にアルジュナとビーマが向かったが、彼らもまた池のほとりで意識を失い倒れてしまった。
そしてついに、ユディシュティラがその場所へとやって来た。
ヤクシャはユディシュティラにも語りかけた。
「まずは私の質問に答えよ。そうすれば、この池の水を飲むことを許そう。お前の兄弟たちを打ち倒したのは、この私だ。もし正しい答えを導き出せなければ、お前もまた彼らと同じ運命をたどることになるぞ」。
ユディシュティラは質問に答えることを承諾した。こうして、ヤクシャとユディシュティラの間で問答が始まった。
そのやり取りの一部は、以下の通りである。
ヤクシャ
「大地よりも偉大なものは何か?」
ユディシュティラ
「母である。」
ヤクシャ
「旅路において、真の友となるものは何か? 」
ユディシュティラ
「知識(ヴィディヤー)である。」
ヤクシャ
「罪の根源となるものは何か? 」
ユディシュティラ
「怒りである。」
ヤクシャ
「何を捨てることで、人は富める者となれるのか? 」
ユディシュティラ
「貪欲を捨てることだ。」
ヤクシャ
「この世において、最大の驚異とは何か? 」
ユディシュティラ
「人は日々、数え切れないほどの生き物が死んでいく様を目にしながらも、なお自分自身は死なないものだと信じ続けている。これこそが、まことに最大の驚異である。」
ユディシュティラは見事な答えを返した。
ヤクシャはそれに満足し、こう言った。
「お前の兄弟のうち、一人だけなら生き返らせてやろう。さあ、誰を蘇らせるか言ってみよ、アルジュナか、それともビーマか?」
ユディシュティラは答えた。
「アルジュナでも、ビーマでもありません。どうかナクラを生き返らせてください。クンティー母上の息子は、私という形でまだ一人生きております。ですから、マードリー母上の息子もまた、一人生き返らせていただきたいのです。」
ユディシュティラの正義感は、まことに尊いものであった。ヤクシャはこの答えに大いに喜び、兄弟たち全員を生き返らせた。
このヤクシャの正体は、実は法(ダルマ)その人であり、ユディシュティラの資質を試していたのである。彼はまた、聖仙の火起こし棒と焚き付けも回収し、ユディシュティラに返還した。

