クリシュナ神は、アルジュナの戦車の御者を務めていた。彼はアルジュナの戦車をパーンダヴァ軍とカウラヴァ軍のちょうど中間地点へと進め、そこで停止させた。
アルジュナが前方を見やると、一方の陣営に、彼に弓術を教え込んだドローナ師が立っているのが見えた。そこには母方の叔父であるシャリヤ (शल्य)、兄弟であるカルナ(कर्ण)、数多くの友人たち、そして多くの親族たちの姿もあった。彼らは皆、アルジュナを敵として迎え撃つべく布陣していたのだ。
アルジュナは、彼ら全員を殺さねばならない運命にあった。アルジュナの瞳から、涙があふれ出した。彼ら全員に向けて矢を放つなど想像をしただけで、彼は震え上がった。
クリシュナ神が振り返ってアルジュナの様子を伺った。アルジュナは深い悲しみに沈んでいた。神に問いかけられると、彼はこう答えた。
「おお、主よ! 祖父や師、そして親族たちを殺して手に入れるような王国を望むくらいなら、いっそ乞食をして生計を立てる方がマシです。私は戦いません」
そう言い残すと、アルジュナは戦車の上に弓と矢を置いた。彼は戦車の後部座席に座り込み、絶望に打ちひしがれて頭を垂れた。
クリシュナ神は言った。
「アルジュナよ、臆病風に吹かれてはならぬ。戦いの最中にあって、そのような執着を抱くことに何の意味があるというのだ? お前が誰かを真に殺すことなどできはしないし、誰かが真に死ぬことなどあり得ないのだ。
人が古びた衣服を脱ぎ捨てて新しい服を身にまとうように、魂もまた古くなった肉体を脱ぎ捨て、新たな肉体へと宿り直すのだ。魂は不滅である。いかなる武器をもってしても切り裂くことはできず、火をもってしても焼き尽くすことはできず、水をもってしても濡らすことはできず、風をもってしても乾かすことはできないのだ
クシャトリヤ(武者)が生まれてきた、その瞬きが訪れたのだ。立ち上がれ、そして戦え! 今日の汝の義務は、ただ戦うことのみである。もし戦いの最中に英雄的な死を遂げれば、汝は天界への入り口を開くであろう。また、もし勝利を収めれば、地上を統治する支配権を手にするであろう。いずれの結果になろうとも、汝の幸福は約束されているのだ。」
このようにして、クリシュナ神はアルジュナの迷いを晴らされた。神は彼に、『カルマ・ヨーガ』の教えを授けられたのである。クリシュナ神によるこれらの教えは、世界中にその名を知られている。『シュリーマド・バーガヴァッド・ギーター』こそが、クリシュナ神の教えを収めた聖典である。それは、世界最高峰の聖典として崇められている。こうして、アルジュナは戦いのための覚悟を固めたのであった。

