ブログお引越ししました

🌿お知らせ 🌿

旧ブログ 
svyogaindia.com 
から引越しました。

ドローナ師の最期(マハーバーラタ20)

マハーバーラタ戦争の15日目のことであった。パーンダヴァたちは、いかにしてドローナ師を打ち破るべきか、深く頭を悩ませていた。 クリシュナ神は、ある解決策を提示した。

「ドローナが手に武器を握っている限り、彼を倒すことは至難の業である。だが、ただ一つだけ方法がある。もし、何らかの形でドローナが、愛息アシュヴァッターマ(अश्वत्थामा)が討ち取られたという報せを耳にすれば、彼は悲嘆に暮れ、自ら武器を投げ捨てるであろう。その時こそ、彼を討ち取る好機となるのだ。」 

 アシュヴァッターマは不死身の存在であったため、彼が死んだという報せは、現実にはあり得ないことであった。

しかしクリシュナ神は、まさにこの目的を果たすための奇策を案出した。彼はこう考えた。ユディシュティラは、その生涯において一度たりとも嘘をついたことがない。もしそのユディシュティラがドローナ師のもとへ歩み寄り、アシュヴァッターマが討たれたと告げれば、ドローナは疑いなくそれを信じるに違いない、と。

この話を聞いたアルジュナは、あまりのことに言葉を失い、ただ立ち尽くした。しかし、もはや他に打つ手は残されていなかった。そこでビーマセーナは、自らの棍棒を振るい、たまたま「アシュヴァッターマ」という名を持つ一頭の象を殺した。

そして彼は、ドローナ師の方へと猛然と駆け寄り、「私がアシュヴァッターマを討ち取ったぞ!」と大声で叫んだ。

それに呼応するかのように、周囲を取り囲むパーンダヴァ軍の兵士たちも一斉に騒めき立ち、アシュヴァッターマが討たれたと喧伝し始めた。ドローナ師は、愛息の死を告げる報せに激しく動揺した。それでもなお、彼はその報せの真偽について疑念を拭い去ることができずにいた。

そこで彼はユディシュティラの方を振り返り、問いかけた。「わが子ユディシュティラよ。まことに、わが愛息アシュヴァッターマは討ち取られてしまったというのか?」

ドローナ師は、たとえ三界の支配権がかかっていたとしても、ユディシュティラが嘘をつくことなど決してないだろうと確信していた。 

クリシュナ神はユディシュティラに対し、「アシュヴァッターマは死んだ」と宣言するよう指示していた。クリシュナは、アシュヴァッターマという名の象が実際に殺されていたのだから、これは嘘には当たらないと理屈づけたのである。

こうして、ドローナ師が問い質したとき、ユディシュティラは心を鬼にして答えた。

「はい、アシュヴァッターマは死にました」

しかし、正義の化身たるダルマラージャ(=ユディシュティラ)の心は、かつて自らに真理の教えを説いてくれた師に対し、嘘をついてしまったことへの深い悔恨の念でたちまち満たされた。

彼は唇から、か細い声でこう呟いた。
「私には分からない……それが象だったのか、人だったのかは」

 ※サンスクリット原文 
अश्वत्थामा हत:नरो वा कुंजरो वा 
アシュヴァッターマ ハタハ ナロー ヴァー クンジャロー ヴァー


 ドローナ師には、ユディシュティラの言葉の前半部分ははっきりと聞こえていた。しかし、ユディシュティラが後半部分、「私には分からない……それが人だったのか、象だったのかは」を口にしようとしたその瞬間、クリシュナ神が猛烈な轟音を響かせながら法螺貝を吹き鳴らしたため、ドローナ師にはその言葉が届くことはなかった。

激しい苦悶に打ちひしがれたドローナ師は、武器を投げ捨て、両手で頭を抱えると、その場に崩れ落ちた。 



 まさにその時、ドルパダ王の息子であるドリシュタデュムナ(धृष्टद्युम्न)が、剣を振りかざしてドローナ師へと猛然と駆け寄った。居合わせた誰もが彼を押し止めようと必死に駆け寄ったが、瞬く間に、彼は致命の一撃を放った。一瞬にして、師の首は胴体から切り離された。バラドヴァージャ (भरद्वाज)の息子、ドローナの魂は、至高の光へと帰一したのである。