マハーバーラタ戦争の第16日目、ドゥルヨーダナはカルナ(कर्ण)を総大将に任命した。サハデーヴァ(सहदेव)の母方の叔父にあたるシャリヤ(शल्य)が、その御者を務めることとなった。
戦端が開かれた。アルジュナはカルナに対し、猛烈な攻撃を仕掛けた。ビーマもまたアルジュナの傍らに立ち、彼を援護した。二人は力を合わせ、カルナへと猛攻を浴びせた。
二人の勇士を相手にカルナが孤軍奮闘しているのを見たドゥッシャーサナ(दु:शासन)は、ビーマに向けて矢の雨を降らせた。
ドゥッシャーサナの姿を捉えるや、ビーマは激しい怒りの発作に駆られた。この卑劣な漢こそ、かつて議会の衆目の前でドラウパディーに恥辱を与えた張本人である。
ビーマは彼目掛けて飛びかかった。ビーマの棍棒による一撃を受け、ドゥッシャーサナは崩れ落ちた。ビーマはさらに棍棒を振るい、ドゥッシャーサナの体を徹底的に粉砕した。
まず彼は、かつてドラウパディーのサリーを乱暴に引きずった、その腕を切り落とし、投げ捨てた。次いでドゥッシャーサナの胸の上に座り込むと、その血にまみれることを愉しみ始めた。
ドラウパディーの髪は、この間ずっと解き放たれたままであった。彼女は、ドゥッシャーサナの血で髪を洗って初めて、それを結い上げると誓っていたのである。ドラウパディーがその場に現れ、ドゥッシャーサナの血に髪を浸すと、長年にわたる待ち望みの末、ついにその髪を一つに結い上げた。
その頃、カルナとアルジュナの間では、激しい一騎打ちが繰り広げられていた。カルナはアルジュナに向けて、“サルパ・バーナ” (蛇の矢)を放った。アルジュナの御者を務めていたクリシュナ神は、親指で戦車を強く押し下げた。すると戦車は、指五本分もの深さまで地面に沈み込んだ。蛇の矢はアルジュナの頭上を音を立てて通り過ぎ、彼は難を逃れた。
しかし、カルナが放った次の一矢は、アルジュナの王冠を直撃し、それを頭から弾き飛ばした。激昂したアルジュナは、カルナに向けて矢の豪雨を浴びせた。
不運なことに、まさにその瞬間、カルナの戦車の左輪が地面に深くめり込んでしまったのである。
カルナは叫んだ。
「パーンドゥの子よ! 一瞬待たれよ。我が戦車の車輪が地面にめり込んでしまったゆえ、それを引き抜く間を与えてほしい。不義なる戦いを仕掛けてはならぬ。ダルマ(正義)の理(ことわり)を守るのだ!」
これに対し、クリシュナ神はカルナを厳しく叱責した。
「カルナよ。お前がダルマを思い出すのは、自らが危難に瀕した今になってからなのか?
王宮の議場にて、ドラウパディーがサリーを剥ぎ取られようとしていた時、傍観していたお前のダルマは一体どこにあったのだ? ユディシュティラをサイコロ賭博の罠に嵌めた時、お前のダルマの心はどこにあったのだ?
13年間の流刑期間が明けた後でさえ、お前はパーンダヴァたちに王国を返還することを拒んだ。それがダルマであったと言うのか? 『漆の館』にパーンダヴァたちを閉じ込め、生きたまま焼き殺そうと共謀した時、お前のダルマは一体どこへ消え失せていたのだ?
お前たち7人の偉大なる戦士たちが、無垢なる少年アビマニュを取り囲み殺害した時、お前たちの脳裏にダルマの二文字は浮かばなかったのか? それだというのに、今や死が目の前に迫り、突如としてダルマを思い出すというのか?」
その時、クリシュナ神はアルジュナに言った。
「アルジュナよ、もうためらうな。今すぐこの悪人に矢を放て。」
アルジュナは矢を放った。
矢が命中した瞬間、勇猛果敢なカルナは地面に倒れ込んだ。
カルナは限りなく寛大な男だった。彼は太陽神の息子であり、神から神聖な鎧と一対の耳飾りを授かっていた。これらを身につけている限り、誰もカルナを殺すことはできなかった。
しかし、過去にインドラ神がバラモンに変装して彼に近づき、それらを求めた時、カルナは一瞬の躊躇もなく、それらを贈り物として与えてしまった。
カルナが倒れた瞬間、パーンダヴァ軍は法螺貝の音色に先立ち、勝利の雄叫びをあげた。

