やがて、ユディシュティラの心に「王の即位祭(ラージャスーヤ・ヤジュニャ राजसूय यज्ञ )」を執り行いたいという願いが芽生えた。この儀式を無事に完遂した王には「サムラート(皇帝)」の称号が授けられ、万人の尊敬を集めることとなっていたからである。
ユディシュティラが王の即位祭を執り行う意向を表明すると、直ちに準備が開始された。
儀式場が飾り立てられ、王国内のすべての王たちに招待状が送付された。祝祭に関連する様々な役割分担が行われ、一人ひとりに具体的な任務が割り当てられた。
ドゥッシャーサナ(दु:शासन)には、客人の飲食の世話をする責任が委ねられた。サンジャヤ(संजय)には、来訪した王たちに給仕し、その世話をする役目が命じられた。ビーシュマとドローナには指揮権と監督権が与えられ、ドゥルヨーダナには贈り物を分配する任務が割り当てられた。
ユディシュティラがまさにクリシュナ神に特定の任務を割り当てようとしたその時、神は先んじてこう言葉を発した。
「私については、客人の履物を脱がせて整え、その足を洗い、使い終わった葉皿を片付けることで、客人たちに奉仕することにしよう。」
クリシュナ神の言葉を聞いたその場に居合わせた人々は皆、感嘆の声を上げ、その崇高な精神を称賛した。真に偉大な人物とは、実のところ謙虚な人物であり、すべての人への奉仕に自らを捧げる人物なのである。こうして、供犠(ヤジュニャ)の儀式は次第に完了へと近づいていった。
すべての工程が終わりを迎える頃、ビーシュマがユディシュティラに向かって言った。「さあ、いよいよ客人たちを顕彰する儀式を執り行いなさい。」
ユディシュティラは答えた。
「私の見解では、私たち全員の中で最も偉大なのはクリシュナ神です。したがって、最初に顕彰されるべきは彼であると存じます。」
誰もがこれに賛同した。しかし、シシュパーラ(शिशुपाल)だけはこれに異を唱えた。彼は、クリシュナ神に対して深い嫉妬心を抱く邪悪な男であった。彼はユディシュティラやビーシュマに対し、激しい嘲弄を浴びせ始めた。そればかりか、ついにはクリシュナ神にまで侮辱の言葉を投げかける始末であった。
偉大なる魂は本来、寛容なものである。ゆえにクリシュナ神は、シシュパーラの罵倒を一向に気にも留められなかった。
しかし、シシュパーラは言葉による猛攻を止めようとはしなかった。クリシュナ神は百回にわたる侮辱の間、沈黙を守り続けられた。だが、その邪悪な男がなおも攻撃を止めようとしないに至り、ついに彼を罰する必要が生じた。クリシュナ神は、その円盤(スダルシャナ・チャクラ)を呼び寄せられた。瞬く間に、シシュパーラの首は切り落とされ、地面へと転がり落ちた。

